「第17回岩木トライボコーティングネットワークアワード(岩木賞)」大賞受賞のお知らせ
お知らせ2024年12月20日
コンテスト詳細
コンテスト名 | 第17回岩木トライボコーティングネットワークアワード(岩木賞) |
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主催 | 一般社団法人未来生産システム学協会(FPS) |
受賞業績名 | グラッシーカーボンを用いたロール状モスアイ金型の開発 |
受賞部門 | 大賞 |
第17回岩木賞において「グラッシーカーボンを用いたロール状モスアイ金型の開発」で大賞を受賞いたしました
このたび、当社が東京理科大学様と共同開発した技術「グラッシーカーボンを用いたロール状モスアイ金型の開発」が、第17回岩木トライボコーティングネットワークアワード(岩木賞)で最高賞である大賞を受賞いたしました。
岩木賞は、表面改質・トライボコーティング分野で多大な業績を上げられた故・岩木正哉博士(理化学研究所元主任研究員) の功績を讃えてトライボコーティング技術研究会や未来生産システム学協会(FPS)により2008年に設立され、表面改質やトライボコーティング分野で顕著な成果を収めた技術や団体を表彰するものです。
受賞理由
モスアイ構造フィルムとは、光の波長以下の微細なナノ突起を表面に形成したフィルムで、光の反射を極限まで低減できるほか、水や油などの液体を強力に弾く特性を有しております。同フィルムを表示機器等に貼ることにより光の映り込みや指紋汚れを低減し、鮮明な画像を得ることができます。
モスアイ構造フィルムの一般的な製造方法は、ナノサイズの凹凸を持つ転写版をフィルムに押しつけて凹凸構造を形成するプロセスが用いられています。従来、この転写版の製造にはアルミニウムの陽極酸化を用いるプロセスが採用されていますが、コスト高や大型化の対応が難しいという課題がありました。
今回受賞した新技術では、基材上にグラッシーカーボン薄膜を形成し、イオンビームでエッチングすることによりナノサイズの凹凸を形成するもので、硝子、Si、金属などのさまざまな基材を用いることができます。
この独自の転写版製造技術を確立したことで、ナノサイズの微細なモスアイ構造をロールtoロールでフィルム上に量産できるようになり、従来手法に比べ大面積化(最大1560mm)と高い生産効率を両立できるようになりました。
車載用モニターやサイネージの反射防止、車載ドアミラーの水滴付着防止、船舶窓の反射防止・水滴付着防止などの用途においてすでに量産実績があり、今後も需要が伸び様々な用途への展開が期待されていることから、その新規性と市場性を評価いただき、この度の大賞受賞にいたりました。
次世代モスアイ構造フィルム 『g.moth®』
上記の新技術を用いて製造するモスアイ構造フィルムは、『g.moth®』という名称で提供しております。水の接触角が150°を超える超撥水性を示し、かつ従来のモスアイ構造フィルムの弱点だった耐久性の課題も解決しました。雨水・泥水に汚れが付きにくく、多少の清掃では劣化しない特長もあわせ持っています。
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