研究・開発

世の中に新たな価値をもたらす、
薄膜材料や薄膜形成技術の研究・開発

薄膜の機能を決定づけるのは、材料が持つ性質とそれを扱う技術・ノウハウ。これまでジオマテックは、薄膜形成の技術はもちろん、薄膜材料研究・開発の分野でも従来の常識を覆すさまざまなブレークスルーを起こしてきました。

今後も時代の進化や多様なニーズに対応し続けるため、新たな薄膜材料や薄膜形成の要素技術の研究・開発を推進し、付加価値の高い製品・サービスや技術を創出をすることで、社会の発展に貢献していきます。大学・研究機関との連携、ビジネスパートナーシップなどを通じた研究開発体制で、お客さまの未来の製品の実現に寄与します。

薄膜ひずみゲージの開発

超小型で高感度な耐久性に優れたひずみゲージで次世代センサーを実現、社会のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支える

研究・開発の背景・課題

インターネットに接続するものの状態を検知するセンサーは、デジタル化が進む社会に必須の技術。ジオマテックは、薄膜熱電対(温度センサー)や静電容量センサー(非接触型近接センサー)の開発に成功、薄膜の特長を活かしたセンサーの開発を推し進めています。

ひずみゲージは、電子機器、ロボット、産業用機械、インフラ設備、ヘルスケアなど、さまざまな用途でさまざまな物理量のセンシングに使用されており、IoTに適合した次世代センサー用ひずみゲージが求められていました。

ジオマテックのアプローチ

高感度で安定な(公財)電磁材料研究所のCrN薄膜ひずみゲージを使ったダイヤフラム型ロードセルを作製して、高感度化、小型化に成功しました。その過程で得られた知見をさらに発展させ、ロードセルだけでなく、用途に応じた薄膜ひずみゲージの特性のコントロールを実現しつつあります。

技術の貢献と今後の展開

当社が誇る薄膜形成技術と薄膜パターン形成技術を駆使して、高機能高精度の薄膜ひずみゲージを基材に直接形成、用途に応じてカスタマイズすることで、次世代センサーの実現に貢献します。

関連する製品・ソリューション

高抵抗透明導電膜の材料開発

常識を超えた先で手にした、高抵抗値と高耐久性を兼ね備えた透明導電膜の実現

研究・開発の背景・課題

スマートフォンなどのタッチパネルディスプレイ機器の薄型化に貢献したインセル型液晶タッチパネルディスプレイでは、正常なタッチ動作の実現のために、高い抵抗値の透明導電膜が必要とされました。

しかし、従来の透明導電膜は、抵抗値を低くすることが常識とされており、インセル型液晶タッチパネルディスプレイの実現には、これまでの常識に囚われない、新たな技術革新を行う必要があったのです。

ジオマテックのアプローチ

透明導電膜・ITO膜のリーディングカンパニーであるジオマテックは、ITO(酸化インジウムスズ)を主成分としつつ、数多の物質の組み合わせの中から、長年の知見と諦めない精神で高抵抗化に適した組み合わせを発見。スパッタリング法で形成できる独自の透明導電膜材料の開発に成功しました。

これまでの常識を覆す1kΩ/sq以上の高い抵抗値の透明導電膜の形成を実現するとともに、有機物を用いないスパッタリング法を用いることで、透明導電膜の高抵抗化手段の一つである有機物を塗布する方法(ウェットコーティング)での表面硬度や耐熱性などの信頼性の課題をもクリアしました。

<特許取得済>

技術の貢献と今後の展開

ジオマテックが生み出した高い抵抗値かつ高い信頼性を実現する透明導電膜用材料は、スマートフォンなどに用いられるインセル型液晶タッチパネルディスプレイの安定動作に寄与するとともに、小型カメラの防曇用透明ヒーターなど、これまでの透明導電膜では実現が難しかった新たな用途での活躍が期待されています。

ジオマテックは、今後も新たな価値を生み出すためにブレークスルーを起こし続けます。

関連する製品・ソリューション

金属電極膜の材料開発

不要な反射を防ぐ黒色の金属電極膜が、
タッチパネルディスプレイの表示を自然に美しく

研究・開発の背景・課題

タッチパネルディスプレイ機器では、タッチセンサーの高い検出精度がもたらす快適な操作性はもちろん、映像技術がHDから4K/8Kへ向かう中、より美しい映像体験への要求レベルも、時代とともに高まり続けています。

しかし、高い検出精度を実現するために張り巡らせたタッチパネル上の電極配線に従来の銀色などの光を反射しやすい金属を用いると、外部からディスプレイに当たる光を反射してしまい、映像に悪影響を及ぼしていました。

より美しい映像体験の実現には、電極配線部分の反射を極限まで抑える必要があったのです。

ジオマテックのアプローチ

タッチセンサーの電極配線の光の不要な反射を防ぐために、ジオマテックは、黒色に着目し“黒色なのに電気を通す”金属電極膜材料を開発。タッチパネル部分の電極配線を黒色とすることで、不要な反射を低減することに成功。液晶や有機EL(OLED)のディスプレイに用いられるカラーフィルターの黒色部分(ブラックマトリックス)のパターンに沿って極細の電極を配線すれば、そこに配線があることを視認することは難しく、自然で美しい映像体験と快適なタッチ操作の両立に貢献しました。

この新たな薄膜材料の実現には、タッチパネルディスプレイ機器での豊富な薄膜形成実績はもちろん、ブラックマトリックスの製造経験や電極配線に必要なパターニング(フォトリソグラフィ)に関する知見も保有していたことも功を奏しました。

<特許取得済>

技術の貢献と今後の展開

ジオマテックが生み出した黒色の金属電極膜は、世界中のスマートフォンやタブレットなどのタッチパネルディスプレイ機器で採用され、その黒色が光の反射を防ぐことで、より自然で美しい映像体験に寄与しています。

ジオマテックは、黒色の電極のような“不要な反射を防ぐ技術”や透明導電膜・ITO膜で培った“透明で見えない技術”などを活かし、映像機器や光学センサーなど、光をあやつる機器の発展に今後も寄与し続けます。

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