CUSTOMER REPORT 01
視線誘導灯・WEBカメラ向け
着雪対策用透明ヒーター
多量降雪、吹雪による視認性の低下を防ぎ高速道路利用者の安全を守る
株式会社ネクスコ・エンジニアリング北海道 様
課題と背景
- 視線誘導灯
- 視線誘導灯はLED化により消費電力の削減を達成したが、発熱が少ないため灯具に着雪した場合に雪が溶けない。
- WEBカメラ
- WEBカメラのハウジングは曲面型のためワイパーなどを設置できず、着雪対策が困難。
着雪で視認性が低下
解決方法
- 視線誘導灯
- 視線誘導灯発光部前面のハウジングへ透明ヒーターを装着。
- WEBカメラ
- WEBカメラハウジング曲面全体に透明ヒーターを装着。
雪を溶かし良好な視認性を実現
Voice優れた技術力はもちろん、知見を活かしたスピーディーな課題解決力を信頼しています。
当社の事業内容は主に高速道路の維持、点検、保守です。地域に根差した企業として、特に冬期の道路管理には注力しています。ジオマテックさんとの出会いは、元々、高速道路の監視カメラ(WEBカメラ)の着雪対策としてドーム型に対応できる透明なヒーターを探していた時のことでした。ジオマテックさんから試作段階の曲面用ヒーターをご提案いただき、まさに私が探していた技術でしたので、その技術を用いたWEBカメラ向けヒーターの製品化に向けて共同開発に臨みました。
また、視線誘導灯でも同様の課題がありました。近年、LED化により消費電力が40Wから2~3Wに削減されました。しかし、かつて白熱灯を用いていた時はその熱で雪が溶けていました。しかし、LEDは発熱しないため、着雪対策が必要となりました。検討を重ね、ポールの形状を変更することでかなりの効果が得られましたが、猛吹雪など気象条件が悪いと着雪を防げませんでした。そこで万全を期すために、WEBカメラと同様にヒーターの導入を検討しました。消費電力を計算し、ジオマテックさんからも技術的に可能であることを即答いただけたので、不安なく共同開発をスタートできました。
透明ヒーターの導入後、WEBカメラは2年、視線誘導灯は1年半が経ちますが、高い視認性を保てていると自負しています。ジオマテックさんは技術力の高さもさることながら、私達の疑問に対して即座に答えられる知見も素晴らしいと思います。研究にはスピードも重要なため、その点も非常に評価しています。
TechnologyGEOMATECの透明ヒーター
ジオマテックの薄膜技術とノウハウを活用した『透明ヒーター』は、映像を映し出すカメラや窓ガラスのように、透明性が求められる場所の曇りや着雪・凍結の防止、保温などの用途に最適です。
Solution
降雪時もクリアな発光を保ちドライバーの視線を誘導
株式会社ネクスコ・エンジニアリング北海道様が業務を行っている北海道の高速道路のうち、特に降雪の多い合計600kmの道路には、50m間隔で視線誘導灯が設置されています。その総数は3万本以上です。着雪対策用透明ヒーターが取り付けられた視線誘導灯は、2018年12月から設置され、「ドライバーの皆様からすれば、走行中に視線誘導灯が見えることが当たり前。冬期間、お客様に安全で快適な走行環境を提供するために、視認性を確保することが重要です」と大廣様は語ります。
刻一刻と変わる気象状況をWEBカメラで鮮明に確認
高速道路の沿線には、交通状況や気象状況を確認するためのWEBカメラが設置されています。しかし、夏期に比べて事故件数が増加する冬期間において、吹雪などによる着雪の影響で監視に支障が出ることがありました。ドーム型のカメラカバーにはワイパーを設置することができないため、着雪対策として透明ヒーターを採用。道路状況の確認業務を確実にしています。
多様な形状で均質に発熱する透明ヒーターが視認性を確保
WEBカメラカバーに透明ヒーターを成膜するに当たって課題となったのは、球面の温度を均一にすることでした。さらに、温度を上げすぎるとカバーが割れてしまい、熱を抑えると雪が溶けないため、微妙な温度管理の必要もありました。実験段階では、帯状に成膜したヒーターでも検証を行いましたが、その場合は熱で溶けた雪がドーム下部に垂れ下がり、“つらら”になってしまう課題も発生するなど、改良や検証を重ね、発熱する温度を均一にコントロールし、加工技術を確立することで、2018年6月に完成しました。透明ヒーターは、形状に対して柔軟に対応できるだけでなく、人の目では成膜の有無が判別できないほど透明度が高いため、様々な応用が検討されています。
Mission
お客様にとって最善のご提案ができる技術力・実績があります。
当社の透明ヒーターは40年以上の実績があり、複数の形状や反射防止、親水など多様な機能に対応し、お客様のご希望に沿った製品開発が可能です。10年程前、監視カメラ部門の営業担当になった当時は、屋内用のドーム型カメラが増え始めていた時期で、屋外向けカメラの需要が高まると予想し、社内でドーム型ヒーターの開発に着手しました。そのため、2015年にネクスコ・エンジニアリング北海道様に問い合わせいただいた際にも、自信を持って融雪対策のご提案をすることができました。そして共同開発、冬期実地試験を経て、2018年6月に製品化を迎えることができました。今後も確かな技術力を武器に、お客様の課題解決に一つひとつ貢献していきます。
共創力のあるパートナーとして、安全・安心な製品の開発を目指します。
降雪地域を走る電車の運転席窓や信号機用ヒーターなど、これまでにも融雪・着雪防止を目的とした製品開発に数多く携わってきました。ネクスコ・エンジニアリング北海道様のWEBカメラ用ヒーターは、半球形状という部分で技術の確立に苦労しました。半球面を均質に発熱させるに至るまでに作った試作機の数は、30以上に上ります。視線誘導灯向けヒーターは、長年のノウハウを元に基礎データを準備してご提案した結果、開発から製品採用までスムーズに進みました。いずれも人命に関わる製品のため、プレッシャーを感じながらの開発でしたが、お客様に「長年の悩みが解決できた」と感謝のお言葉をいただけた時の達成感はひとしおでした。
お客様プロフィール
株式会社ネクスコ・エンジニアリング北海道 様
株式会社ネクスコ・エンジニアリング北海道様は、NEXCO東日本(東日本高速道路株式会社)グループの一員として、北海道の高速道路の保全点検、データ整備・解析、調査設計、研究開発、工事管理、施設保全工事を行われています。北海道内約700kmの高速道路は、地域に暮らす人々の暮らしを支える重要な公共インフラです。ネクスコ・エンジニアリング北海道様は、その技術力を核として“安全・安心・快適・便利”を守ることを使命に、新しい区間の建設や古い区間の補修、保全などに日々取り組まれています。
所在地 〒003-0005 札幌市白石区東札幌5条4丁目3-20
https://e-nexco-engiho.co.jp/
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