トップメッセージ

社長 松﨑建太郎

株主・投資家の皆様をはじめ、ステークホルダーの皆様におかれましては、日頃より格別のご高配を賜り厚く御礼申しあげます。

当社は1953年の創業以来、価値ある薄膜と加工技術を提供するプロフェッショナルとして、ものづくりとテクノロジーの発展に貢献してまいりました。おかげさまで、当期で第71期を迎えることができました。これもひとえに皆様のご支援の賜物と深く感謝いたしております。
さて、第70期(2022年4月1日から2023年3月31日)決算の概要につきましてご報告をさせていただきます。

当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスに対する行動制限の緩和により経済活動に正常化への動きが見られたものの、ウクライナ情勢の長期化や欧米におけるインフレ抑制に向けた政策金利の上昇、原材料価格やエネルギー価格の高騰が続くなど依然不透明な状況が続いております。

このような環境の中、当社を取り巻く事業環境は、当社の主力製品が関与する自動車市場において、半導体供給不足が徐々に解消し自動車生産では回復の動きがみられるものの、当社の取引先である部品メーカーにおいて、車載用部品在庫を適正な水準まで戻すべく生産調整が行われたことから、自動車向けを中心に好調だった第3四半期までに対し、第4四半期は極めて厳しい状況で推移いたしました。

この結果、売上高は5,812百万円(前期比0.6%減)となりました。損益につきましては、第4四半期までモビリティや半導体・電子部品、その他製品向け薄膜製品の売上が安定的 に推移したことから利益を積み上げておりましたが、第4四半期に入り、エネルギー価格高騰が利益を圧迫している状況に加え、自動車向け薄膜製品の売上が急減速したことから大幅に利益が減少いたしました。この結果、営業利益は66百万円(前期比69.8%減)となりました。

経常利益は、円安に伴う為替差益39百万円を営業外収益に計上したことなどから140百万円(前期比57.2%減)となりました。また、第2四半期において当社の連結子会社で あった吉奥馬科技(無錫)有限公司の全出資持分の譲渡に伴う事業譲渡損493百万円を特別損失に計上したことから、当期純損失は366百万円(前期は528百万円の当期純損失)となりました。

当社を取り巻く環境はまだまだ厳しい状況でありますが、今後につきましても成長が見込める分野については積極的な投資を推し進めることにより引き続き事業及び商材ポートフォリオの転換、収益性の改善に取り組んで参ります。

松﨑建太郎