トップメッセージ

社長 松﨑建太郎

株主・投資家の皆様をはじめ、ステークホルダーの皆様におかれましては、日頃より格別のご高配を賜り厚く御礼申しあげます。

当社は1953年の創業以来、価値ある薄膜と加工技術を提供するプロフェッショナルとして、ものづくりとテクノロジーの発展に貢献してまいりました。おかげさまで、当期で第72期を迎えることができました。これもひとえに皆様のご支援の賜物と深く感謝いたしております。
さて、第71期(2023年4月1日から2024年3月31日)決算の概要につきましてご報告をさせていただきます。

当事業年度におけるわが国経済は、サービス消費やインバウンド需要の増加により景気は緩やかな回復基調で推移いたしましたが、ウクライナ情勢の長期化、中東情勢の深刻化による地政学リスクの高まりや中国の景気回復の遅れ、円安の継続による資源価格高騰が懸念されるなど先行きは依然不透明な状況が続いております。

このような環境の中、当社を取り巻く事業環境は、半導体供給不足が徐々に緩和され回復への動きはみられるものの、当社の取引先である部品メーカーにおいて生産拠点集約による受注量の減少や、車載用部品の生産調整が継続し本格的な回復には至らなかったことから厳しい状況で推移いたしました。

この結果、売上高は4,605百万円(前期比20.8%減)となりました。損益につきましては、ディスプレイ、モビリティ向け製品の売上が990百万円減少し生産性・生産効率が悪化した結果、営業損失は655百万円(前期は66百万円の営業利益)、経常損失は552百万円(前期は140百万円の経常利益)となりました。

また、最近の事業環境の変化を踏まえ、今後の事業計画及び回収可能性を検討した結果、金成工場においては、回収可能価額が帳簿価額を下回ったことから、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額1,091百万円を減損損失として特別損失に計上いたしました。この結果、当期純損失は1,669百万円(前期は366百万円の当期純損失)となりました。

今後の経済見通しにつきましては、景気は引き続き緩やかな回復が継続すると見込まれていますが、中国経済の減速、中東やウクライナ情勢による地政学リスクの高まり、過度な円安による国内経済への影響が懸念されるなど先行きは依然不透明な状況が続いております。このような環境のもと、当社は既存商材の競争環境を見極めながら販売活動に取り組むとともに、薄膜加工技術も含めたソリューションサービスの提供など従来の薄膜受託加工とは異なるビジネス展開を実施することで売り上げの回復に努めるとともに、更なる生産性の向上、間接業務の削減など固定費の圧縮を推し進め収益の改善に取り組んで参ります。

松﨑建太郎