トップメッセージ

株主・投資家の皆様をはじめ、ステークホルダーの皆様におかれましては、日頃より格別のご高配を賜り厚く御礼申しあげます。
当社は1953年の創業以来、価値ある薄膜と加工技術を提供するプロフェッショナルとして、ものづくりとテクノロジーの発展に貢献してまいりました。おかげさまで、当期で第73期を迎えることができました。これもひとえに皆様のご支援の賜物と深く感謝いたしております。
さて、第72期(2024年4月1日から2025年3月31日)決算の概要につきましてご報告をさせていただきます。
事業年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の増加により景気は緩やかな回復基調で推移いたしましたが、地政学的不安定さが長期化するなか、物価の上昇や米国の政権交代による今後の政策動向など先行きは依然不透明な状況が続いております。
このような環境の中、当社を取り巻く事業環境は、当社の主力製品であるディスプレイパネルが自動車市場やVR市場向けで受注が堅調に推移したこと、また、半導体・電子部品では、エネルギーや電子部品向け受注が増加したことから堅調に推移いたしました。
この結果、売上高は5,280百万円(前期比14.7%増)となりました。損益につきましては、売上高が増加したことや前期に計上した減損損失により減価償却費が減少したことなどから、営業利益は323百万円(前期は655百万円の営業損失)となり、経常利益は366百万円(前期は552百万円の経常損失)となりました。
また、投資有価証券売却益11百万円などを特別利益に計上したことから、当期純利益は360百万円(前期は1,669百万円の当期純損失)となりました。
今後の経済見通しにつきましては、景気は引き続き緩やかな回復傾向にあるものの、地政学的な緊張や米国の貿易政策による国内経済への影響が懸念されることから先行きは依然不透明な状況が続いております。このような環境のもと、当社の主力製品である薄膜製品は、最終製品の需要動向やサプライチェーンの変化に大きく左右されるものと予測されます。
このような状況を踏まえ、当社はこれまでのマーケットインとプロダクトアウトの戦略に基づき、「薄膜技術」を強化し成長を図ってまいりましたが、今後はこの経営志向をさらに発展させ、従来の薄膜技術に加え、顧客ニーズに応じた生産技術の強化と経営資源の最大活用によって顧客の利便性および当社の収益性の向上を目指す、「薄膜技術+生産技術」という当社の強みを活かし企業成長に取り組んで参ります。