営業の概要

当社は2022年8月8日付で連結子会社であった吉奥馬科技(無錫)有限公司の全出資持分を譲渡したことに伴い、第1四半期累計期間までは連結決算でありましたが、第2四半期累計期間より非連結決算へ移行いたしました。

当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスに対する行動制限の緩和により経済活動に正常化への動きが見られたものの、ウクライナ情勢の長期化や欧米におけるインフレ抑制に向けた政策金利の上昇、原材料価格やエネルギー価格の高騰が続くなど依然不透明な状況が続いております。このような環境の中、当社を取り巻く事業環境は、当社の主力製品が関与する自動車市場において、半導体供給不足が徐々に解消し自動車生産では回復の動きがみられるものの、当社の取引先である部品メーカーにおいて、車載用部品在庫を適正な水準まで戻すべく生産調整が行われたことから、自動車向けを中心に好調だった第3四半期までに対し、第4四半期は極めて厳しい状況で推移いたしました。

この結果、売上高は5,812百万円(前期比0.6%減)となりました。損益につきましては、第3四半期までモビリティや半導体・電子部品、その他製品向け薄膜製品の売上が安定的に推移したことから利益を積み上げておりましたが、第4四半期に入り、エネルギー価格高騰が利益を圧迫している状況に加え、自動車向け薄膜製品の売上が急減速したことから大幅に利益が減少いたしました。この結果、営業利益は66百万円(前期比69.8%減)となりました。経常利益は、円安に伴う為替差益39百万円を営業外収益に計上したことなどから140百万円(前期比57.2%減)となりました。また、第2四半期において当社の連結子会社であった吉奥馬科技(無錫)有限公司の全出資持分の譲渡に伴う事業譲渡損493百万円を特別損失に計上したことから、当期純損失は366百万円(前期は528百万円の当期純損失)となりました。

ディスプレイ

液晶パネル用帯電防止膜やタッチパネル用透明導電膜は、自動車やウエアラブル端末向けディスプレイパネルが第3四半期まで安定的に推移しておりましたが、第4四半期は取引先での生産調整の影響により低調に推移いたしました。この結果、売上高は2,107百万円(前期比18.3%減)となりました。

モビリティ

モビリティ向け薄膜製品は、自動車向けカバーパネルが前期下期に投入した生産ラインの効果により好調に推移しておりましたが、第4四半期からは取引先の生産調整の影響により低調に推移いたしました。この結果、売上高は1,821百万円(前期比14.0%増)となりました。

半導体・電子部品

半導体・電子部品向け薄膜製品は、電極膜や金属配線膜等を中心に受注は安定的に推移いたしました。この結果、売上高は1,144百万円(前期比11.5%増)となりました。

その他

その他薄膜製品及び関連部材は、顧客や商材毎での増減はあるものの全体としては順調に推移いたしました。この結果、売上高は738百万円(前期比15.1%増)となりました。

品目別構成比および最終製品別構成比

構成比