営業の概要

当事業年度におけるわが国経済は、サービス消費やインバウンド需要の増加により景気は緩やかな回復基調で推移いたしましたが、ウクライナ情勢の長期化、中東情勢の深刻化による地政学リスクの高まりや中国の景気回復の遅れ、円安の継続による資源価格高騰が懸念されるなど先行きは依然不透明な状況が続いております。このような環境の中、当社を取り巻く事業環境は、半導体供給不足が徐々に緩和され回復への動きはみられるものの、当社の取引先である部品メーカーにおいて生産拠点集約による受注量の減少や、車載用部品の生産調整が継続し本格的な回復には至らなかったことから厳しい状況で推移いたしました。

この結果、売上高は4,605百万円(前期比20.8%減)となりました。損益につきましては、ディスプレイ、モビリティ向け製品の売上が990百万円減少し生産性・生産効率が悪化した結果、営業損失は655百万円(前期は66百万円の営業利益)、経常損失は552百万円(前期は140百万円の経常利益)となりました。また、最近の事業環境の変化を踏まえ、今後の事業計画及び回収可能性を検討した結果、金成工場においては、回収可能価額が帳簿価額を下回ったことから、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額1,091百万円を減損損失として特別損失に計上いたしました。この結果、当期純損失は1,669百万円(前期は366百万円の当期純損失)となりました。

ディスプレイ

液晶パネル用帯電防止膜やタッチパネル用透明導電膜は、前年度に一部の取引先が生産拠点の集約を実施したこと、その他部品メーカーにおいても生産調整が継続していることから引き続き厳しい状況で推移いたしました。この結果、売上高は1,448百万円(前期比31.3%減)となりました。

モビリティ

モビリティ向け薄膜製品は、主力製品である自動車向けカバーパネルにおいて、前年度主流で流れていた機種への生産計画のピークが過ぎたこと、部材メーカーでの在庫調整の回復のペースが鈍いことから引き続き低調に推移いたしました。この結果、売上高は1,489百万円(前期比18.2%減)となりました。

半導体・電子部品

半導体・電子部品向け薄膜製品は、生産機械向け電子部品の受注は引き続き低調に推移いたしましたが、半導体分野向けテストウェハや次世代エネルギー向け部品の受注は堅調に推移いたしました。この結果、売上高は1,224百万円(前期比6.9%増)となりました。

その他

その他につきましては、多種多様な製品向けに販売活動に取り組みましたが、設備投資や開発投資環境が弱含んで推移したことから関連する製品・試作案件への受注が低調に推移したことや、成膜関連部材での販売が減少したことから厳しい状況で推移いたしました。この結果、売上高は443百万円(前期比40.0%減)となりました。

品目別構成比および最終製品別構成比

構成比